知っておきたい『亜鉛』の生い立ち
亜鉛の働きと歴史
味覚障害の一つとして亜鉛不足が知られていますが、亜鉛はわたしたちの体を構成している60兆の細胞の一つ一つに存在します。
なぜなら、細胞が新しく生まれ変わる新陳代謝には、DNAをコピーする重要な働きに亜鉛は不可欠のミネラルだからです。
そればかりか、わたしたちのからだにある酵素は免疫、消化、吸収、代謝、排泄など様々な働きをして、生命維持を司っていますが、亜鉛はその酵素の構成成分になったり、ホルモンの生成に関与したり、そしてその酵素やホルモンを活性化して正常に働かせるなどその働きは枚挙にいとまがありません。
アメリカでブレーク
およそ20数年前、『亜鉛がテストステロンという男性ホルモンを活性化して男性機能を復活させる』ということから、アメリカでは亜鉛が精力剤としてブレークしました。そして、遂には亜鉛がセックスミネラルと呼ばれるようになりました。
オットジンクは、ちょうどその頃、亜鉛製剤が販売されていなかった日本にアメリカ(ウインスコンシン州)から輸入され、発売されました。
粉ミルクに亜鉛添加
一方、日本での亜鉛研究は欧米に立ち遅れていたため、日本小児科学会が当時の厚生省に申し入れ、乳幼児の成長には亜鉛が欠かせない成分として、昭和58年に粉ミルクにグルコン酸亜鉛を添加することが認可されました。
グルコン酸亜鉛の解禁
しかし、依然として我が国での亜鉛研究は立ち遅れ、ようやく平成16年にグルコン酸亜鉛(=化学合成)についてサプリメントとしての販売が認められるようになりました。
酵母亜鉛
市場には酵母を介在させた酵母亜鉛がありましたが、含有量が少ないことや酵母の原料に含有されているフィチン酸という亜鉛の吸収阻害をする成分のため、食用効果が分かり難く、りピートにつながらないことも多かったようです。
オットジンクの登場
1988年に米国から輸入され発売された「1粒に30mgの亜鉛」が含有された『オットジンク』の食用効果が絶賛され、セックスミネラルの名の下に、忽ちのうちにリピーターの口コミによって広げられ、亜鉛の市場に変化が生まれました。
女性にも大切な亜鉛
さらに、亜鉛は男性ホルモンを活性化するミネラルとしてだけでなく、お肌の新陳代謝や女性ホルモンの活性化によって、化粧のりがよくなったり、お肌ツルツル現象で、亜鉛は女性にとっても、うれしいミネラルとして体験事例的に理解され、亜鉛もいよいよメジャーな市場に育ってまいりました。
亜鉛効果の科学的裏づけ
同時に亜鉛の認知や研究が進む中で、たとえば糖尿病の臨床例では、2013年に順天堂大学が、理化学研究所、杏林大学、慶應義塾大学との共同研究により、血糖値を下げるインシュリンが途中で壊されないよう、亜鉛が目的部位までガードする働きを解明しています。
今後の亜鉛のさらなる研究解明結果が楽しみです。
吸収性のメカニズム
亜鉛などのミネラルは単独で吸収されるものは少なく、ほとんどのミネラルはアミノ酸によって摂りこまれるようになっています。
例えば、カルシウムはカルシウム結合タンパクというけん引役によって、必要な時に必要な量のカルシウムが取り込まれます。
亜鉛も同じように、アミノ酸と結合して体内に取り込まれるのです。
そして、このアミノ酸と結合した亜鉛をキレート亜鉛と呼びます。
それは、蟹が二つのハサミで挟んでいる形から名づけられているそうです。